さよならBUMP〔4〕 / 乙女座の月

私の最初の就職は散々でした。


自分の事を全く解っていなかった私は、「大学院卒の女子に、仕事があるだけありがたい」という勘違いも甚だしい謙虚さで、全く適性のない業界に就職をしてしまいました。
そして当然のごとく、ずったずたのぼろっぼろになりました。
魂の形に全くマッチしない仕事、さらにはやみくもに時間を奪われる日々に壊されそうになっていたその頃、「ちゃんと自分を生きるように」と、背中を押してくれたものの一つが、BUMPでした。


そしてもう一つ。「占星術」を知ったのもその時でした。


例えば、11月生まれの私は蠍座、というように、自分が何座かは皆さんご存知と思いますが、占星術は、つまり、それだけに留まらない、専門的な学問、と言えるものです。
まぁ、そうは言っても、普通だったら、「弱っているときに占いを知る」という一番危険なパターンです。
この「占い道」は少々笑い話も含むので、改めてじっくりとお話ししたいと思いますが、幸いなことに私は、悪徳占いに出会ったわけではなく、神様のノートを覗き見せてもらうような、「占星術の理論」のおもしろさを知るに至っただけでした。
仕事の問題が解決したあとも、占星術への興味だけは残りました。


占星術の世界では、水星、金星、木星などの「全ての惑星(準惑星になりましたが、冥王星も含む)」と「月」、それらをみんな使います。
「11月20日生まれだから蠍座」などというのは、「太陽星座」のことですが、みんな、それ以外の星座も持っているということです。
水星星座は「コミュニケーションの在り方」、金星星座は、「その人の魅力および恋愛スタイル」、火星星座は「情熱の方向性」を表す……といった具合です。
そもそもが占いに懐疑的だった割に、占星術をすんなり受け入れられたのは、占星術が、理論体系で成り立っていて分かりやすく、かつ、なかなかに深い「勉強」が必要な分野だったからかもしれません。



そんな中、「月」の担当は、その人の「根っこ」です。
幼少期とか、根幹とか、癖とか、その人の心の最も深くて柔らかい部分のイメージ。
以前も「ヴァルゴの月(Cotorilla vol.5収録)」で書きましたように、私と母はこの月星座が同じ「乙女座」なのです。
ということは、即ち、根っこが同じ……雑な言い方をすると、「ソウルメイト的に解り合える」というヤツなわけです。道理でぶつかることも多かったはず。似た者同士なんです。


乙女座というのは、12星座中、群を抜いて、「繊細さ」を持っている星座ではないかと思います。
繊細と言えば聞こえはいいですが、要は細かくて、神経過敏だということです。
他の星座にももちろん「繊細担当」はいますが、例えば蟹座が「感情」において繊細な星座なら、乙女座は「感覚」に於いて繊細、というイメージ。敏感肌で、いろんなことをビリビリ感じてしまう、という感じでしょうか。
別に、月が乙女座だからって必ずこんな風になるというわけではないでしょうが、実際、母も、
「痛い、痛いってば!」
ってよく言ってるし、
よくそんなこと気付くな〜ってくらい、細かいことがすんごく目につくし、
「回し飲みとか、無理」ってよく言ってるくらい潔癖だし(コレは関係ない?)、
「お母さん、ONE PIECE、キライ……あの、人間をぼこぼこに殴るところが苦手」って言ってるし、
ホラーの嫌い方なんかもう尋常じゃなく、貞子のCMが流れるだけで「どうしてこんなの流すの!」ってぶちぎれたり、「日清の八つ墓村のCM、ホント怖いの。日清に苦情言いたい」とか言ったりしてるし、


そして、そういう細かさ、臆病さ、感じやすさなんかを全部、明るく社交的に振る舞うことでまるっと隠している人です。


実は私自身も、上記母の言っていることが、大体当てはまります。
子どもの頃、ドラゴンボールの「第二形態フリーザ」が、クリリンのお腹に穴をあけたシーンがトラウマになって眠れなかったことがあります。(なぜか、最終形態による「悟空ーーーー!(ドカーン!)」よりも。)
作り物と解っていても、いきなり脅かされるから心臓に悪いというそれだけの理由で、お化け屋敷が今も異常に苦手です。

ですが、母の過敏さは、私のさらに上をいく感じです。



そんなうちの母と、母の妹(つまり我が叔母)と一緒に「嵐」のライブに行った話をします。
BUMPのライブの話じゃなかったんかい。
いやいや、まぁそこは焦らず。


叔母ちゃんは、嵐のファンクラブに入っているくらいのファンレベルですが、私と母は、
「嵐さん? うん、フツーに好きだよ^^」という感じでした。
何度か言ってますが、私はニノ派です。ちなみに、このニノさんも、月星座が「乙女座」です。


叔母がコンサートチケットを当ててくれたことに便乗し、私も3回ばかし、嵐さんに会いに福岡に行ったことがあります。
ご存知の通り、ジャニーズのコンサートは、本当は「フツーに好きだよー^^」くらいの人では足を踏み入れてはいけない世界です。それくらい、ファンが熱いのが当たり前です。ですよね。そりゃね。
実際は、私なんかが行かせてもらってすみません、という感じです。

ただ、そんな空気でも私は、ディズニーランドに行ってミッキーに手を振るくらいのノリで、細かいことは気にせず、普通に楽しむことが出来るんですけど、
上記のとおり、「細かいこと気にしい」の母は、ここでもまぁ、いろいろとうるさいです。
今年も叔母に誘われたのに、
「もう、いい歳したおばちゃんが、あの場にいるのもなんか恥ずかしい」 
とか言って断っていました。誰も見てねーよ、っての。

前回の福岡ヤフオクドームの時も、

母「あの熱狂的な空気の中にいるのが恥ずかしい」 
私「だあぁーからあ〜、それはミッキーに手を振るくらいの割り切りでいかんと!」
母「なんか、どういうテンションでいればいいのか解らないのよねー。若い子に混ざってキャーとか言えないし」
私「こだわるなぁ…」

という感じでした。



そんな母のお気に入りは、星野源です。
私も星野源は好きです。最初に気になったのは、「ゲゲゲの女房」で布美枝さんの弟役をやっていた時でした。 
「この、吉岡秀隆をちょっと若くしたみたいな人、誰だ」
と、グッと来たのでした。
今も昔も塩顔に弱い。
私もですが、母も、福山雅治のような、直球イケメンにはあんまり興味が湧きません。
福山さんにはときめきはしないだけで、人柄は好きですけどね。

(※ 2017年追記。星野源が「逃げ恥」で大ブレイクしたのは、この半年後…。
今では星野源、結構好きだよーなんて、逆に言えなくなってしまった……)



ようやく、本題に入ります。

BUMP OF CHICKENのライブの話です。


2016年4月10日、久しぶりにBUMPのライブに行ってきました。
今回の相棒は4年ぶりにハルマキ君(教え子)です。
東京在住なのに、ピアス穴作成を延期してまで大阪へ遠征したのは、彼と行くためでした。


塾で、初めての授業の日に、自己紹介の中で私が、

「最近、BUMPを好きになって……」

と言ったその瞬間、ぴくっと顔を上げた少年に、

「BUMP好きなの?」

と聞くと、無言で「うん」と頷いた、


それが彼と私の出会いでした。



ただ、最初の日記に書きましたように、BUMP熱が全く上がらなくなってしまっていた私は、このときのライブも、「新譜封入シリアルナンバーが最速申し込みだろう」くらいの勘違いをぶちかましていたほど、関心が薄らいでいました。


さて、ここからが「スピリチュアル」体験です 。
占星術だけじゃなくて、スピリチュアルと来たか。
まぁ、そう言わず。


その日、私はえらくそわそわしていました。
貧血でもないのに、妙に体が騒々しい。
「なんだろうなぁ、この感じ……」
首を傾げながら部屋の中をうろうろしたりしていたのですが、
ふと、SNSを覗くと、そこに新譜発売前なのにも関わらず、「BUMP、落選した〜!」というつぶやきが。
「?」となった私は、何となく公式サイトへ。

「あー、なーんだ、幕張の20周年ライブのことか〜。じゃあ関係ないや〜(※幕張に行く気はなかった)」


といって、ブラウザを閉じる。


「(でも、なんか変だったぞ…)」


妙な違和感を覚える。

そこで、もう一度、BUMP公式を開く。


「……あれ、大阪公演も、申し込み、始まってんじゃん……。1次申し込み、終わってんじゃん……」


呼ばれたような気がするその流れのままに、9日、10日の大阪公演両方の公式サイト2次申し込み(つまり2番目に早い申し込み)に応募。


数日後、4月10日の公演のみが一発当選する。



「BUMPが来いって言ったんですね」

10日は日曜日だったので、「仕事が休みだし」と、あっさりOKしてくれたハルマキ君は、私の誘いの電話に笑ってそう言いました。
驚いてください、私がべらぼうに溺愛していた教え子ちゃんたち、なんと「24歳」になりました。
時は経つはずです。



4月10日ライブ当日。

新幹線で大阪入りし、ホテルにとっとと荷物を預け、ハルマキ君との待ち合わせの駅に向かいました。
が、改札が幾つかあったのか、なかなか会えない。


「目の前にパン屋があって、『春を感じる岡山』って看板の前にいます」


と、(ガラケーなので)メールを送るわたし。


彼「何改札ですか?」

私「わかんない(笑)」


先生、相変わらずのダメダメ誘導っぷりです。そのうち、


彼「大丈夫です」


と、頼もしいんだか、なんだか解らないなぞの一言を送ってきましたが、待てど暮らせど来ない。
きょろきょろうろうろしながら、段々不安になってきたそのとき、振り返るとハルマキ君が真顔で立ってました。


「こ、心細かったよ〜!」


と言って腕を引っ掴む私(注:元先生)に、


「パン屋じゃ、解らないです」


といって、彼は相好を崩しました。


待ち合わせした駅が、たまたま彼のお父上のお店(ハルマキ君の父は、料理人である)の近くだったので、
連れてってもらいました。
おみやげの焼き菓子、熱気が溢れるライブ会場に持っていくのは何かな……と思っていたので、申し訳ないけど、パパ上に持って帰ってもらうようにお願いすることにしたら、
厨房からパパ上が出てこられて、ご挨拶してくださいました。どんな偉い客なんだ、私は。
ちなみに、パパ上にお会いするのは、これで3度目だったりします。
(ママ上にも一度会ったことがある。ちなみにハルマキ君もうちの母に2度会ってる)


「息子がいつもお世話になってます」 

 「いえ! こちらこそ! いつも遊んでもらって!」

どんな立場なんだか、もう訳が分からない私と父上の会話を無表情に聞いてるハルマキ君。


帰り際にも見送ってくれたパパ上が、我々が花見で大阪城に行くというのを聞いて、 

父上「大阪城はもう桜は散ってるよ。今から行くなら、造幣局だろう」

私「ですかねえ。造幣局は混んでると思って、大阪城にしてたんですけど」

父上「ほら、早く行かないとー。みんなも行きたがってるんだぞ」

ハルマキ「?」

父上「“バンプオブチキン”のライブにー。厨房のみんなもー」


パパ上の「バンプオブチキン」の発音が、明らかにカタカナ、っていうかひらがなだった。



お会計は、お父上がごちそうしてくれました。
出番が無くなった財布をしまいながら、


「出そうと思ってたんだけど」


と彼がぽつりと言いました。


「ん、もしかしてふたり分?」

「もちろんですよ」

「お、おお〜!?」


嬉しくなってニヤニヤする元先生。


「お父さん、面白いね」

「そうですかね」


そんなこんなで、造幣局デートに繰り出すことに。


京阪線に乗って、天満橋駅に向かいました。 

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