星を読む魔術師〔前編〕/ 占われ遍歴

時々、占星術の話をしていますが、私は元々、占いに興味があったわけではありません。


別に「そんなん、嘘っぱちだ〜」とか、「インチキだ〜」と、拒絶していたわけでもないです。
そもそも、私の亡きじいちゃんは占い師だったそうでして、戦時中に中国人に習ったとかで、四柱推命と画数に強かったとかなんとか。(情報が曖昧すぎる)
私の名前も、じいちゃんが遺した画数事典で、いい画数かどうか確認したんだそうです。



かといって、私自身はお金を払って占いに行ったりすることもなく、テレビで有名人が、当たる占い師に観てもらってるのを、いいなぁ~と思う程度の興味はあったけど、「わざわざ占いにいくのは、ちょっとイタくない?」とさえ思ってました。
別におじいちゃんの職業全否定してたわけじゃないです。
そもそも占い師だったって知ったのは最近で、ずっと死ぬまで会計士やってたんだと思ってたんですよ。


それはどうでもいいんですが、以前もエッセイに書いたとおり、私は蠍座なのに、基本、あんまり蠍座の特徴が当てはまらないので、占星術もよく知る前は、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」くらいに思っておりました。
「蠍座のあなたは、赤とか黒とか、ダークなものが好きです」
「ミステリー小説が好きです」「スカルモチーフが好きです」
いやいや、どれも好きじゃないし!
若草色とかピンクとかの方が普通に好きだし、愛読書は「赤毛のアン」シリーズとか、梨木香歩とかだし。って。



さて、私が初めてお金を払って占いに行ったのは、
「初の一人暮らし+某暗黒旅行会社のブラック残業」というコンボによって、鬱になりかけた時
でした。
その状況を抜け出す、よすがとなるものが何かほしかったのです。


が、あいにく、これはバリバリのインチキ占いでした。
川岸に泊めた舟の上で占っているおばあさんでした(※ 広島には川が多い)が、

  1. 仕事について聞きにいったのに、部屋に入るや否や、
    「恋愛は、相手の生年月日が要りますよ」と言われ、

  2. 「そうね、学校の先生、向いてると思います、よ」と、
    明らかに鑑定じゃなくて感想だよねそれ、という雑なことを言われ、

  3. 挙げ句「○○の霊が憑いてるから除霊した方がいいですね。三万円です。」
    と脅されました。(心当たりがない)


自称見える人なんだったら、なぜ、最初に「恋愛には相性がどうのこうの」と言い始めたのか、問い質したい。
あとで知りましたが、「3.」については、どのお客にも言っていたんだそうです。
被害総額が鑑定料の3000円で済んでよかったです。


そして、当時の私に言いたい。

「そんだけ病んでたなら、まず、カウンセリングルームに行け。」と。

カウンセリングだと、いかにも病気前提な気がして、二の足を踏んでしまったんですね。
よく、自転車こぎながら、涙目でカウンセリングルームの看板見上げてたのを思い出します。
カウンセラーだからって皆がみんな、ベストマッチな答えを返してくれるわけでもないし、相性も絶対にあるけれど。
でもね、カウンセリングは鬱じゃなくても、病気になってなくても行っていいし、仮に病気になってしまったとしても、それは恥ずかしいことでも、悪いことでもないんだよ。
ホントにねえ、当時の私に言ってあげたいよ、それを。


さて、舟の上の占い師は残念でしたが、このとき、占い(とBUMP)にすがるしかなくなっていた病みかけの私は、「西洋占星術」に出会いました。
それについては、こちらのエッセイでも書いた通り。
>「さよならBUMP〔4〕乙女座の月」


ただし、すがるといってもネットでタダで見られる分のみで。金はかけるものか、と自分で自分の手綱を締めてたことは覚えています。舟の上の人のせい(おかげ)かもしれません。

このとき出会ったのは、たぶん、書店等で見たこともある方が多いと思う、石井ゆかりさんの「筋トレ」というサイトでした。筋トレは“ライトな12星座占いプラスアルファ”、といった感じで、入門編として程よかったのかもしれません。
石井さんのスタンスが、スピリチュアル的ではなく俗世と離れていない感じだったし、それでいて占星術に関する用語はバンバン出てきますから、ある意味で入りやすかったのでしょう。
そして、そこに出てくる解らない用語について、検索をかけて調べたりしているうちに、大体の西洋占星術の基礎は覚えていったように思います。



その後、飲み屋の店長が趣味で手相を見てるとか、友人の友人が手相占いをしているとかで見てもらうことはありましたが、本格的に自分から占いに行ったのは、「労働者戦争が開戦間近で、退職しようか迷いに迷っていた時」でした。(こんなんばっか)
といっても、偶然、ショッピングモールに東京からの出張占いが来ていて、その時、電話口の向こうの友だちに、
「今、目の前に占い師来てるけど、見てもらった方がいい?」
と冗談まじりに聞いたら、
「ネタになるから、行ってこい」
と冗談まじりに返されたので、冗談まじりにブースを覗いてみた、という、そんなテンションでした。


ブースにいらっしゃったのは、感じのいい、初老のおばちゃんでした。
使っていたのは主に、四柱推命だったようでした。
性格についても今後の運勢もいいことしか言われませんでしたが、電話口の友人に報告したら「すごい当たってるわ~」と言ってくれたので、当たる占い師だったのかな。
その中でも一番覚えておきたいと思ったのは、

「あなたに孤独の星はありませんよ」
「あなたは好きなことをやった方がいいですね」

この二つですね。「あなた、絵を描くこと、好きじゃない?」とも聞かれました。
このおばちゃん、名前がわからないんですよね。東京から来てるとだけ言われたんだけど。聞いとけばよかったかな~とちょっと思います。
帰りに、「がんばれ、がんばれ!」と、拳を作って応援してくれました。
あともうひとつ。

「あなたは面白い人生だから、どんな風になったか、いつかまた会ってみたい」

とも言われたのでした。


余談ですが、飲み屋の店長の手相占いは全然当たってませんでした。
この、サラリーマン不適合の私に、「あなたは現実主義だから、事務とか一般的な仕事の方がいい。」とかのたまってましたからね。まぁタダだったから別にいいんですけど。



このおばちゃんのおかげで、占いへの疑心がちょっと消え、自分の中で占いハードルが下がったのかもしれません。
占いに興味を持ち出した私は、その後、有名どころに二人、見てもらいました。


有名どころ一人目に出会ったのは、労働者戦争で仕事を辞めて、上京を決めたとき
が、この「●●●の母」は、当たってなくもないが、特に身になることを言ってくれるわけでもなく……と、ビミョウでした。電話口ではとても優しそうだったのに、実際に会ったら、すんごい上から目線だったのはなぜだったんだろう。私、なめられそうな顔でもしてたんでしょうか。
この人に観てもらって唯一良かったのは、

「北東が凶方位? どうせ気学でしょ? あんなん、その辺に売ってるような本に書いてあるようなもの。上京しても問題ないです。え? 死なない死なない。あたしはキモントンコウを使ってますからね」

と、やっぱりすごい上から目線ではありましたが、その年、凶方位と言われていた東京に出る不安を「ノープロブレム」と一蹴してくれたことですね。



二人目は、上京後。
テレビで手相芸人やってる人の“師匠”の、「原宿の母」です。吉本ばななの著書にも出てきたとか出てないとか。
原宿の母は、小柄で気さくで、でも、思ってたより落ち着いたテンションの感じのいいおばちゃんでした。値段も良心的だった。
数秘術とか、占星術とか、四柱推命とかいろいろ使ってましたが、一番印象的だったのは、巨大なタロットでした。
(トートタロットという、特殊なものだったらしい。)
これが笑えるほど、大当たりでした。どの辺りが、というのは内緒の方向で。
ショッピングモールのおばちゃん同様、
「あなた、実はやりたいことがあるんじゃない⁈ 好きなことあるの? それ、やった方がいい! 線が出てるよ!」
とも言ってました。そして帰り際に、
「美人なんだから! 明るく! いい波動を出して!」
と励ましてくれたので、いい人だなあああ!と思いました。(褒められるとすぐこう……)



原宿の母も、ショッピングモールのおばちゃんも、よい占い師でした。

んが、ちょっと話をさかのぼりまして、思い出してください。先ほど書いた、以下の一文。


そこに出てくる解らないことについて、検索をかけて調べたりしているうちに、大体の西洋占星術の基礎は覚えていったように思います。


というわけで、ここまでの時点で、私は、地味に占星術の知識を蓄えつつありました。
原宿の母のときも、「あなたは月と海王星が90度だから~」「でも、太陽と天王星が0度だから~」と星の話は出てきましたが、未来視のツールの一つ、という感じでした。

未来のことよりも、「まずは、自分のホロスコープをガツン!と読み解いてくれる方に会ってみたいなぁ~」と思い始めた私は、いろんなブログをはしごしているうちに、ついに、町医者のように、市井の人をお助けしている、『熟練の星読み師』に出会うことが出来たのでした。


(つづく)

0コメント

  • 1000 / 1000