ノインゼ兄さん誕生まで(前編 / 美形とロンゲ)

「○○誕生まで」シリーズ第2弾は、ノインゼ兄さん。


この子ももう生まれて10年が経ちますので、
彼のキャラクター変遷は、イコール「私の絵の変遷」及び自叙伝状態です。
よってめっちゃ長い。よって前後編に分けました。
前編は「きっかけ」および「影響」について。


ノインゼは、今、主に動いている子たちの中では、3番目に生まれた子です。
オルファ、イズーナちゃんの方が誕生は早いです。
ですが、その「原型」みたいなのは、オルファと同時期に生まれていたような気がします。



さあー、私のイタい過去絵晒し大会始めますよー!
みんな、頑張ってついてきて!!(笑)


大分捨てちゃったので、もうあんまり残ってないんですけど、その原型が、



たぶんこれかな。
北風の子ども・リールくん、っていいました。
まだ、100円の落書き帳に、ミッキーマウスの色鉛筆で塗って満足してた頃(笑)


成長した姿の絵はもう捨てて無くなってたんだけど、一枚だけ、大分あとになってPCで描いたのが残ってました。これ ↓

何か背負っているのは気にしないであげてください。
この「さらっとロンゲ」は、この後、断髪されて、無造作頭になる的な何かでした。


私、正直、ロンゲキャラクターは全くツボらないんですよ。
黒髪は好きだけど、「少年のようなオーソドックスな髪型」が一番好きです。
楊ぜんより、太公望が圧倒的に好きでした。(歳バレる)


私世代のバイブル扱いされてる「天使なんかじゃない」にも私はハマらなかったんですが、
その一因に、「晃(ヒーロー)がリーゼントだった」ってことがある気がする。
基本的に矢沢あいの漫画は、あの「派手なリア充感」が
あんまり肌に合わないってのがあるんですけど、
もし晃がずっと、パリ編での頭でいてくれたら、ちょっと好きだったかも解らない。
とか言ってね、「スラムダンク」で一番好きなの、水戸くんなんですけど。
めっちゃリーゼントじゃないですか。
しかもどっちも声優が森川智之さん。セフィロス!
そしてみんな前髪上がってるね!!


そういえば、「天ない完全版」の巻末の、藤くんの解説、ゲラゲラ笑いながら読んだの覚えてます。
とにかくなぜ晃に一言も触れてないんだ、っていう。
しかも、「主人公(翠)はあんまり好きじゃなかった(ごめんなさい)」とか言い放ってるし。
正直すぎて引くわそういうところ好きです。
まぁ、あの漫画は、連載当時から、読者が満場一致で「麻宮裕子が最高」状態で、
実際のところ、翠ちゃんの人気はイマイチでしたからね。
翠ちゃんはね、ぐちゃぐちゃになっちゃう恋する女子の心を体現しないといけないから、
綺麗なキャラクターではいられないんですよ。



何の話をしてたのか解らなくなってきましたが。
そんな風にロンゲに興味のない私ですが、
「断髪された無造作黒髪」に目覚めたきっかけのお方がおります。
そのお方とは、言わずもがな、


Ⓒ 1997 Studio Ghibli


アシタカヒコ様。
宮崎監督、断髪式好きだよね。アシタカだけじゃなくて、シータもソフィーもやらされてた。
漫画版だとクシャナさんも。どんだけよ。


ただ、私、恐ろしいことに気づいてしまったんです。
今回、めちゃくちゃ久しぶりに「もののけ姫」を見返してみたら、


「私、この映画……今見たら、そこまで好きじゃない気がする……」
って……。



いや、そりゃあ昔ほど感じるものが無くなってることはとっくに解ってた。
出会いは十代だったんだからそれは当たり前だ。感じ方が同じでも困る。


しかし、思ってた以上に、

「アシタカって忙しいヤツだなぁ〜」
「戦国が舞台って意外としっくり来てないなぁ〜」
「ジコ坊のキャラ、必要性が微妙じゃない?」
「やっぱ大御所以外の俳優陣の演技はいささか限界を感じるかなぁ〜」


……と、なんだかごちゃごちゃ考えてしまった。


ああ、年月って怖すぎる。
あの頃は映画館に三回行ったし(お父さんがノってくれた)、
もう冗談抜きで現実に帰ってこれなかったし、
監督の思いと台詞の意味のひとつひとつを考えたし、
直視出来ないくらいアシタカカッコいいいいいいって思ってたのに!


なんかもう、自分の礎、覆された思い。
ひとりでおののけ姫です。


まぁ……アシタカが『ダメイケメン』なのは、カヤの件で前からわかってたけどさ……。
これだからイケメンは、自分のイケ面に胡座かきよってよー(´Д`)って。
自分に惚れてる女子から貰ったものを、自分が惚れた女にあっさりあげちゃうし、
そして、そのたらい回しのプレゼントによって、新しい女からグサッとやられるあたり、
なにかこう……示唆的なものを感じたりしたものよ。
まあちょっと、痛い目見た方がいいよね、彼ね。
(15年前には考えられなかった発言)


ナウシカの原作には、相変わらず魂を揺さぶられるんですけどね。
でもあっちも、ナウシカ以上にクシャナ殿下に惹かれるんだよね。
あと、こないだ「バンビ」を初めてちゃんと見て気づいたんだけども、
もののけ姫って、「バンビ」にめっちゃ影響受けてるよね。シシ神って、バンビ父ですよね。
宮崎監督って、昔よくディズニー罵ってたよね。どの口が、ってね。
そういうところ好きですけどね(笑)


またも、何の話をしていたのか解らなくなってきましたが。
ただ、それでも私の中の「“カッコいい”の礎」がアシタカにあることは、きっと死ぬまで変わらない。
こうしてまじまじとアシタカを見てると、それがよく解って……
ちょっとこう……なんか……辛くなるものがある……。
もう、自分のルーツは本当にここだと思い知らされる……。
ナウシカからもののけ姫までのジブリは、やっぱり好きとか嫌いとかには収まらないのも解ってはいる。


あと、私は「千と千尋」で「なんか……あれっ?」ってなって、
「ハウル」で「おおおおもお、宮崎監督と離婚する!」ってなったから、
この二作品に対する思いは、今もビミョーだったりする。
聖司くんに至っては、やっぱり花形満な髪型のせいでか、これまたツボらなかったんですよね。
お前、どんだけ少年風無造作が好きなんだよ!!!


……やっぱり、アシタカなんだよ……
監督に「俺は一世一代の美形を描いてるんだ!」って言わしめた、
無造作黒髪の、アシタカなんだよ……
私の中の「永遠のカッコいい」は……。



さて、こうしてアシタカにより、私の中に、「断髪、黒髪、美形」のイケメン基盤が成立します。
ですが、これでは、「なぜロンゲ?」の疑問が払拭されません。


まぁアシタカも、普通の少年風よりは雰囲気のある長さですので、
彼がルーツだとひとまとめに説明してもいい気もしますし、
ハウルや楊ぜんもそうだったように、一般的にロンゲは
「美形のメンズが、影ある雰囲気を出すのに便利な、描き手に優しいアイテム」
です。よって美形がロンゲになりがちなのは「普遍の法則」なんじゃなかろうか、
という気もします、


が、私の中には、もう一人思い当たる、「ロン毛」のルーツがいます。


エッセイにも書きましたが、「赤毛のアン」の次男、「ウォルター・ブライス」です。


兄弟の誰よりも美しく、誰よりも臆病で、誰よりも勇敢だったウォルター。
本編で彼の髪が長かったという描写はないのですが、
「真っ直ぐな黒い髪」という表現から、私の中でのウォルターは、
なんとなく、上の絵のノインゼのように、真っ直ぐサラサラの
少し長めのストレートのイメージでした。



というわけで、ノインゼのロンゲは、麻宮裕子至上主義仲間の藤原さんとは全く関係ないんです。
そういえば私はBUMPを聞き始めたとき、どれが藤原さんかも解ってなかったですね。
当時のポスター、たまたま、いちばんでっかく写ってたのが、チャマさんだったんだよ(笑)



☆ ☆ ☆



さて、オルファに「25歳のお兄ちゃん」を創ろう! と思ったきっかけはこの人、

© SQUARE ENIX


FF6のロックさん(25歳・射手座・O型)でした。


たぶん、私が「最後に萌えた」キャラクターが彼です。
彼を最後に「キャラクターに萌える」という感情を無くした。
(オトナになったのか?)



以前、友達に、
「リラさん……ロックといい、アシタカといい、イケメンだめんずに弱い……( ´∀`)プスス」
と言われて、
「ああああああああああああホンマやあああああ!!!!!」
と気づかされたことがあります。



誰にでも守る守る言うし、
「セリスを娶るのはロック様だ!」とか言って乙女心めっちゃ引っ搔き回すし、
そのくせに、世界崩壊後は他のみんなは再建のために頑張ってるって—のに、
ひとりだけ、あいっかわらずレイチェル復活のためにフェニックス探してるし、
お前ホンッッッット、まるでダメなお兄さんだなーロック好きだよ!!となった私は(あーあ)、


「そうだ、25歳の男子キャラクター創ろう」


と思いたちました。
当時の私にしてみれば、25歳のメンズというのは「立派な大人男性」、それまで可愛いものしか描いたことが無かったことを思えば、「新境地」でした。



なんか、ノインゼの話をするつもりが、私の「中2回顧録」になっただけだ。


と、気づいたところで、後編へ続く。