漫画の話『ヤコとポコ』

ダンくんがまだ、生後5ヶ月くらいのころ。
別に仲良しなんじゃなくて、私が寝てるダンをコキチの後ろに置いたら、ダンはぐうぐうそのまま寝てて、コキチは「……なんか邪魔なんだけど……」と思いつつも、ガマンしてくれてるの図、です。


角度変えて。

迷惑そうな兄貴


「しょうがないなぁ……」

あきらめてくれた兄貴。


*


猫が好きでも、特にそうじゃなくても。

可愛いものが好きならぜひ。

染み渡るようにあったかくなれるものが好きならぜひぜひ。

今日のご紹介は、そんな漫画。

<ヤコとポコ>


自分にとってヒットな作品っていうのは、例えば漫画だったら、1〜2話で。
映画やテレビだったら冒頭15分で、「これ、好きになるわ」と、ピーンときます。
稀に、途中から急におもしろくなるものもありますが、大抵は、序盤の空気で好きかどうかが解る。
私はその辺、自分の「好みアンテナ」を割と信用しています。
でも、予告にはたまに騙される。
例えば、スピルバーグの「ターミナル」。
予告だと明らかにお涙系だったのに、蓋を開けてみたら、「あれっ、トム・ハンクスが可愛いだけの映画……?」
逆に、ずっと応援してたのに、最後だけ「なんでやねーん!」って作品もたまにある。


どうでもいい余談が長くなってしまった。
というわけで、この作品も、試し読みで、
「……これ、たぶん……めっちゃイイと思う……」
と反応した私の「好みアンテナ」は、やはりいい仕事をしていました。


少女漫画家のヤコと、アシスタント猫型ロボットのポコの何気ない日々。
アシスタント猫型ロボットと言いましたが、その関係性は、
ドラえもんとのび太より、キテレツとコロちゃんに近いかもしれません。


舞台は近未来ですが、文明は意図的に退化させられ、時が緩やかに流れている世界。
車の制限速度は20km、高速でも40km、「検索」には10分くらいかかる、
人々が電話やPCを持ち歩いていた頃のことは、
「人と人の距離がおかしかった時代」と言われている、など。


そんな風に、スローに運ばれていく世界も、
おかしな曲線で描かれた建物も、動物の形の乗り物も、
そして、ポコを始めとするお手伝いロボットたちの可愛さも、
とにかく、すべてが、好きすぎる、この世界!!と叫ばずにはいられない。


そして何と言っても、表現の仕方が秀逸です。
効果音も、コマ運びも、静かで地味なのですが、
そこに流れる気持ちが、多くを語らずとも、見事に伝わってきます。
「びしぃ…」だけでクスッと笑い、「ばたばた」だけで、ヤコの嬉しさが伝わってくる感じ。
何というか、「粋」だなぁと思いました。


仮に1巻でピンと来なくても、とにかく、いいから、まずは、2巻まで読みましょう。(義務)
私は2巻の終わりで、「うえっ……ひっ……ああー……!」という声をあげながら泣きました。
『彼』のぽろりとこぼれた涙のカットだけで、喉のあたりにぐぐっと来るものがあったのに、
ページをめくったら本格的にやられました。
そしてそのあと、まさかの展開に腹がよじれるほど笑いました。


「花のズボラ飯」の作者さんだそうですが、どうやらその正体は、
別名義でエロ漫画を描いてる男性作家さんらしいとか(笑)幅広いですね〜。
とりあえず秋田書店さんはこの勢いで、さっさとポコとロダンのグッズを出してください。
ミュシャのも出してください。
皆さんも、「ヤコとポコ」を買って、ポコの尋常じゃない可愛さ、
およびロダンの愛おしさについて、私と語り合ってください。



てきとうでもいい、てきとうだからいい。

かんぺきにもその分の弱点がある。

ダメな子には、ダメな子としての役目がある。


元気がなくなったときに、読み返して幸せになれる本。
元気なときにも、読み返して楽しくなれる本。
ありのままでいいんだなぁと思える、「心のおいしいごはん」です。



ただ、一個だけつっこませてもらおう。
ラスカルはたぬきじゃない! アライグマだ!(笑)

0コメント

  • 1000 / 1000